1.人の水の必要量はどのくらいか?

人は食べ物が無くても数週間生きられるが、水が無くては数日しか生きられない。失われた水分の補給が十分でないと、正常な身体機能が発揮されなくなり、熱中症などの障害を引き起こし、最悪の場合は死に至る。

水の一日の出納は基本的に摂取量と排泄(はいせつ)量が同じである。一日の総摂取量は約2500mlで、飲水から1200ml、食品から1000ml、代謝水から300ml程度である。一方、一日の総排泄量は約2500mlで、尿として1300ml、糞(ふん)として1000ml程度である。

代謝水とは、栄養素が体内で完全燃焼したときに生ずる水のことで、栄養素100g当り、糖質では60ml、タンパク質では41.3ml、脂質では107.1mlが生成される。
このことは、体脂肪の多い人は、脂肪の燃焼によって多量の水分が供給されるはずなのに、逆に脂肪を燃焼させないから体脂肪が多くなるために水の生成が少なくなり飲水量が多くなる傾向がある。

不感蒸泄とは、呼気や発汗によって失われる水で、気温や運動(仕事)などによって変動する。

一日の水の最低必要量は、体内の代謝産物を完全に溶解し排泄するために必要な最小尿量(500ml)に不感蒸泄量(1000ml)を加え、体内で生成し利用される代謝水量(300ml)を差し引いて求める。その結果、一日の最低必要量は1200mlとなる。

以上の水の出納を基準に、次のような水分補給の一日目安量がある。
@一般成人の場合、体重の4%といわれるが、正常な生体機能を保つためには、最低でも1200mlの水は必要。
A運動の種類や量によってエネルギー消費量は異なるが、消費エネルギー1000kcal当り1000mlの水を補給する。
B暑い時期の運動では2〜3kg体重が減少するが、これは単なる水分の減少で、脂肪が燃焼して減ったのではない。そこで、運動の前後に体重を量り、体重が500g減るごとに2カップ(約300ml)程度の水を補給する。
(長崎大学教育学部教授 玉利 正人=食品・栄養生化学)長崎新聞掲載


















2.やせた男性は癌に注意 (厚生労働省調べ)

日本人男性は、やせているほどがんになりやすく、標準かやや太めに比べ、がん発生率は14〜29%高いことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査で分かり、米国のがん専門誌に11日までに発表した。

研究班は、40〜60代の男女約九万人を1990年から約十年にわたって追跡し、がんの発生率や死亡率と体格指数(BMI)との関係を調べた。
BMIは、体重(キロ)を身長(メートル)の二乗で割った値。標準は22で、25以上が肥満とされる。

BMIが21〜29.9の男性ではがんの発生率はほとんど変わらなかったが、やせとされる21未満で増加傾向が顕著だった。23〜24.9の発生率と比較すると、19〜20.9の人は14%、14〜18.9の人は29%、それぞれ発生率が高かった。
女性ではこうした傾向はみられなかった。

研究開始から数年でがんになった人を除いて分析しても同様の結果となり、がんが原因でやせたとは考えにくいという。

研究班の井上真奈美・同センター室長は「発生率でなく死亡率でみた場合、やせの影響はさらに顕著になる。やせすぎの人は、がんになった後の回復力も弱いのでは」とやせすぎに注意するよう呼び掛けている。

以上、長崎新聞04/08/12掲載






















3.喫煙と脳卒中 喫煙でのくも膜下出血は、男性3.6倍、女性2.7倍

たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で3.6倍、女性で2.7倍、脳卒中の一種のくも膜下出血になりやすいことが、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で分かった。

脳卒中全体でも喫煙者の発症率が高かった。たばこを吸わなければ、日本で年間約十六万人の脳卒中を予防でき、約1万5千人の死亡を防ぐことができる計算という。

研究班は四、五十代の日本人男女約4万2千人を1990年から十一年間追跡。喫煙と脳卒中の関係を調べた。

喫煙との関係が最も大きかったくも膜下出血の場合、非喫煙者に比べ、喫煙本数が一日二十本未満の男性は3.2倍、二十本以上四十本未満の男性は3.8倍、それぞれ発症率が高かった。

脳の太い血管が詰まる「大血管脳梗塞」、細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」も同じ傾向。男性の喫煙者は非喫煙者に比べ発症率がそれぞれ2.2倍、1.5倍高かった。
どちらも一日の本数が四十本以上になると、発症率は二倍を超えた。

以上、長崎新聞04/08/21掲載