★ おくすりパンチを製造するに至った経緯と現在の状況 ★

私(店主)は現在59歳です。極めて健康で薬も飲むことがありません。

しかし、両親と同居の中で高齢の母親が自分で錠剤を抜くことができなくなり、
また、飲み忘れ等も頻発するようになって私が薬を管理するようになりました。

ところが、健康で五体満足な私でさえ、錠剤を抜くのに手間取り、時には溢したりと
することがあって負担に感じていました。これが一、二度ぐらいであればそうまで
感じる事もないのでしょうが、朝昼夕晩に複数錠を365日繰り返すことを考えた時、
徐々に私の顔からも笑顔が消えていることに気付きました。

どうしても私みたいに健常者は頻繁に使うこともないため、必要ないと判断しがちで
、これが薬局等に売り込みに行った時のネックとなり普及の妨げとなっています。
不自由されておられる方々は365日、毎回、毎回不自由をし、顔をしかめながら
錠剤を抜いているのです。

それで何か簡単に抜ける道具はないかとドラッグストア等で探しましたが、見つか
らず。仕方なく自分で木切れでおくすりパンチの原形を試行錯誤を繰り返して作り
上げた次第です。

この木切れで作った錠剤を抜く道具は思いのほか簡単に錠剤を抜く事ができ、
リウマチや脳梗塞、パーキンソン病などなど手が不自由でお困りの方々が多い
ことを知り、一念発起して作ることにしました。

まず最初に特許申請をインターネットの電子出願で行ったのですが、その時点で
「先願」といって類似品で先に出願されているものがないかを調べる作業があり、
調べましたところ、私が調べた範囲で6件ほどの類似品が見つかりました。

その類似品に関して詳しく調べましたところ、いずれもアイディアとしては優れて
いるものの、実用品としては使いにくいものばかりでした。つまりフィールドテストを
繰り返して作り上げたものではないようで、想像の産物でとても実用に耐えるとは
言い難いものばかりでしたので、やはり出願すべしと手続きを取りました。

次におくすりパンチを作ってくれそうなプラスチック射出成型のメーカーが長崎にはなく
、インターネットでメーカーを探し、製造可能なところへ70件ほどの案内を出し、
アイディアを買っていただけるか、もしくは製造する場合のコストはいくらになるかを
問い合わせました。

その結果、20件からお返事をいただき、金型代が最高一千万円から最低300万円
までの見積りが届きました。金型代だけで一千万円!とても作れる金額ではなく
300万円を提示してくれたメーカーにお願いをすることになりました。

しかし、300万円でも高額でした。問題は当店は長崎の小さな一個人商店で、
悪いことに不景気のど真ん中(笑)ということで、日本政策銀行(国金)に意欲だけで
貸して貰い作りあげることができました。

ただ、まったくゼロから作り上げた道具ですから、名前からだれも知らないわけで、
その知名度を上げるのに日々苦労しているのが現状です。

現在私は父を施設にお願いし、母親との二人生活で、母親の介護をしながら仕事を
しております。
朝6時に起きたらまず洗濯から始めて、ポータブルトイレの掃除、朝食の世話等を
こなし、9時に店を開き、デイサービスに行かない時は昼食を作って、配達の帰りには
ストアに寄って夕食の材料を仕込み、毎晩夕食を作り続け、食べたら後片付け、
お風呂の準備と目まぐるしく一日が過ぎて行きます。

そんな中での仕事ですから、既存のお茶の販売などの仕事をしながらとても
おくすりパンチの販売だけに集中できる状態ではないのですが、それでも困って
おられる方々のことを思うと、これが私の使命であり最後の仕事と覚悟を決め
酒も絶って毎日寝るまで働いています。

ほんの小さなことですが、困っておられる方々が喜んでいただけるようトコトン努力を
続けますので何卒よろしくお願いいたします。 一灯照隅